出産したら、骨盤矯正をしようと思っている人は多いのではないでしょうか。しかし産後の骨盤矯正に興味があっても、いつから、どのように行えば良いのかわからないという人は少なくありません。産後の骨盤矯正を行うときは、整骨院の施術が効果的です。
今回は、産後いつから、骨盤矯正を行うと良いのか、また妊娠や出産では骨盤にどのようなことが起きているのかなどについて詳しくお話ししたいと思います。
出産後は、十分に休息を取る暇もなく新生児の育児が始まることがほとんどです。また、出産後に自分のための時間を十分に取れない場合も多いでしょう。
しかし、出産後の体には、さまざまな変化が起き、これまでなかったような不調を感じる人も多いものです。
そのようなときに、整骨院で自分の状態に合わせて骨盤矯正を行うことで効果的な場合があります。
いつから?
出産して、どの程度が立てば骨盤矯正を始めて良いのでしょうか。多くの場合は、産後2カ月程度が過ぎていれば、整骨院で骨盤矯正を始めると良いと言われています。
しかし産後と言っても、直後と数ヶ月後では状態が違う場合もあります。また妊娠や出産は人によって違い、産後の経過も人によってさまざまです。
このため、自分の体調に合わせることが最も大切です。
骨盤矯正の効果が出やすいのは、産後半年程度までと言われています。年月が経ってから、骨盤矯正を行っても意味がないということはありませんが、姿勢の癖などが定着しないうちに改善することが望ましいです。
また骨盤や姿勢が歪んだままの状態が長く続くと、体に偏った負担が掛かることになり、腰痛や肩こりの原因になったり、症状が慢性化してしまうこともあります。
さらに、年月が経ってから骨盤矯正を行うときには、効果が発揮されるまでに時間が掛かると言われています。
なぜ?
なぜ、産後2カ月を過ぎた頃から半年程度までは、骨盤矯正の効果がでやすいのでしょうか。
産後、骨盤が歪んだまま姿勢の癖となって定着してしまうと、骨盤が元の位置に戻るまでに時間が掛かってしまうことが考えられます。
また、出産後に同時とも言えるタイミングで始まる育児で掛かる負担を歪んだ骨盤のまましてしまうと、腰などに大きな負担が掛かります。
しかし、出産直後では、体力が回復していない場合が多く、骨盤矯正をすることが負担になる場合も考えられます。
このため、体力の回復が見通せる産後2カ月を過ぎた頃からの骨盤矯正が望ましいのです。
妊娠と出産で骨盤に起こること
出産では、赤ちゃんがお腹から出てくるために、通り道として直径10㎝程度が必要です。
しかし、人の骨盤は日常的に数㎝移動することはありません。特に骨盤にある仙骨と腸骨という骨から構成される仙腸関節は、数㎜程度しか動かないと言われています。
人の体はこの仙腸関節が動かないことで、骨盤の内部にある内臓が守られているのです。
では、赤ちゃんはどのようにしてお腹から出てくれば良いのでしょうか。
妊娠すると、女性の体ではリラキシンというホルモンが分泌されます。リラキシンには、妊娠を持続させる役割と、骨を繋ぐ靭帯を緩める作用があります。
そして、リラキシンが分泌されることで、赤ちゃんの成長とともに徐々に骨盤が開いていき、出産の準備に入ります。
産後すぐは避けよう
出産によって骨盤が動いてしまうのであれば、出産直後から骨盤矯正を始めたほうが良いのではないかと思う人もいるのではないでしょうか。
しかし、出産直後はまず体力の回復を優先させましょう。出産直後は新生児の育児や、これまで負担が掛からなかった体の部位に思わぬ負担が掛かることもあります。出産後2カ月程度までは、まず体力の回復を目指し、体調が安定するまではゆっくりと休息をとりましょう。
ただし、病院の許可がある場合には、ストレッチなどセルフケアを取り入れることで、出産や育児で掛かる体の負担を軽くすることに繋がります。
出産を終えると、リラキシンの分泌は徐々に減り、緩められた靭帯は半年程度で戻ると言われています。この半年程度の間に骨盤矯正を行うことをおすすめします。
効果が出る目安
整骨院で骨盤矯正を始めたからと言って、すぐに骨盤が元の位置に戻ることはありません。
整体院の施術を10回程度受けた頃から、施術の効果が現れ始めます。
またこの頃から、体の凝りが軽減されたり、体調が整いやすくなったと感じる人もいます。最初は1週間に1回から2回程度の施術を受け、施術を受け始めて1カ月が過ぎた頃からは1週間に1回程度の施術を受けると効果が出やすいと言われています。
人によって、効果の出方や感じ方、適した頻度などは異なります。特に産後は体調が変化しやすい時期でもありますから、どの程度のペースで施術を受けるかは施術者と相談して都度決めると良いでしょう。
無理は禁物
産後は、体調の変化が起きやすい時期です。
また、新生児を扱うことで緊張が続いたり、授乳による肩こりや抱っこによる腰痛などの悩みを抱える人も多くいます。
自分のケアを行うための時間を十分に取れない場合も多いでしょう。さらに、ホルモンバランスの変化によって、これまでなかった不調を感じる人も少なくありません。しかし、育児は休む間もなく訪れます。
産後に骨盤を戻したいと思って、無理に骨盤矯正を行うことは避けましょう。
体力の回復や体調に合わせて骨盤矯正の施術を受けることが大切なポイントです。無理をして骨盤矯正を行っても、別の部位に負担が掛かってしまう場合もありますから、注意しましょう。
まとめ
ここまで、産後の骨盤矯正について、詳しくお話ししました。
産後の骨盤矯正は、整骨院で行うことが効果的です。
しかし、出産直後では体力が十分に回復しておらず、かえって負担になってしまう場合があります。
このため、産後の骨盤矯正は、出産して2カ月程度が過ぎてから半年程度までに行うと、効果が出やすいと言われています。
半年を過ぎて骨盤矯正を行うと効果が得られないというわけではありません。しかし、歪んだ骨盤や姿勢の癖が定着してしまって、矯正するのに時間が掛かってしまう場合があります。
また産後は、体調に変化が起こりやすい時期です。整骨院で骨盤矯正を行う場合には、体力の回復の程度や体調について、施術者と十分に話し合って、自分に合った骨盤矯正を受けるようにしましょう。