整骨院と聞くと、あくまでも補助的役割であり、治療はできないのではないかと思う人が多いのではないでしょうか。
またリハビリやマッサージというイメージを抱く人も少なくないでしょう。
確かに整骨院では、診療や治療など、医療行為を行うことはできません。しかし、整骨院では、施術することで、苦痛な症状の改善に繋げることが可能です。
薬物療法に頼りたくない人や、エビデンスの薄いものであっても、副作用のリスクが少ないものを選びたい人、病院が診療している時間には治療を受けることができない人などには整骨院が向いている場合があります。
また、原因が特定できていない慢性痛などの症状の改善が期待できる場合もあります。
今回は、初めて整骨院に行くときまでについて知りたいことをまとめて紹介したいと思います。
治療の対象となるもの
整骨院で治療の範囲となるものは、打撲、骨折や脱臼、捻挫、挫傷など日常生活の中で受けるケガのほとんどと考えるとわかりやすいでしょう。
しかし、今すぐ応急処置が必要であったり、多発した外傷を伴っている場合などでは、整骨院の治療が適切ではない場合があります。
どちらかというと、急性期が過ぎたもので、症状が安定または慢性化しているものと考えたほうが良いかもしれません。
またそれぞれの整骨院で得意としている治療が異なる場合がありますから、実際に治療可能であるかは、行こうとしている整骨院に直接聞くことが最善かもしれません。
整骨院ではできないこと
整骨院では、引き受けることができない治療や、行うことができない手技があります。
明らかに多量の出血していたり、出血が続いている場合、または傷口があり傷口が汚れていたり深いなど、ケガに対する救急を要する治療は、整骨院で治療を受ける前に、救急科などへの受診が必要になります。
受傷による意識障害があった場合で、すぐに回復したなどの場合も、病院を受診したあとで、整骨院での治療を始めると良いでしょう。
骨折や脱臼などの場合でも、手術を必要とする疾患の治療は整骨院ではできません。手術を受け、状態が安定してから施術を受けると良いでしょう。
このほかにも、投薬など医学的管理が必要な疾患や疾患や、定期的な検査を必要とするものは、整骨院では網羅することができません。
慢性疼痛に対する施術を受けることは可能ではあるものの、この施術を保険適用下で受けることはできません。
整骨院でできること
先述だけを読むと、整骨院にはほとんどできることがないのではないかと勘違いしてしまう人がいるかもしれません。
これは間違いです。
整骨院でできることは、人の体の基礎作りや、基幹の教強化、さらにそのことでケガの回復を促したり、再発を予防することです。これは医療ではなかなか難しいことでもあります。
整骨院では国家資格を保有した柔道整復師が施術を行います。
患者さんに直接触れる手技療法を中心としている場合が多いですが、マッサージや鍼灸などを併用できる整骨院もあり、回復力を高める施術を受けることができます。
また整骨院では、保険診療が適用される場合があります。
整形外科との違い
整骨院と整形外科の違いの最も大きな点は、医療機関であるかということでしょう。医療機関とはすなわち医師が在籍しており、ケガや疾患に対して、治療を受けることができます。
医療機関では設備にもよって異なることはあるものの、CTやMRI、レントゲンなど、必要に応じて機械を使った検査を受け、画像による評価を受けることができます。画像だけではなく、検査によって数値として症状を診断することもできます。
そして、検査結果や症状に応じて、投薬を受けたり、手術などの処置を受けることができます。
体感としての症状を画像や数値などで可視化した情報を知ったうえで、薬物治療や外科的治療を受けたい人は、整形外科が適しています。
このほかにも、整形外科では著しい改善が見られなかったり、顕著な原因が特定できない慢性疼痛に対しても、保険適用下で治療を受けることが可能です。
症状が整形外科と整骨院のどちらに適しているかを鑑みたうえで、自分が
どういった治療を受けたいかによって、選ぶことをおすすめします。
初めて整骨院に行くときに気をつけたいこと
医療機関を受診する場合でも同じことがいえますが、整骨院に初めて行くときは、困っている症状や改善したいものが、いつ、どのようなきっかけで始まったのかを伝えるようにしましょう。
メモなどを用意しておくと、伝え忘れることがなかったり、初めて整骨院に行くまでに思い出したことなどを書き加えることができます。
スマホのメール画面やメモ機能を利用すれば、メモそのものを持って行くことを忘れてしまったということが起きにくくなります。
また、脱臼や肉離れなど、繰り返す症状の改善のために整骨院に行く場合は、いつから繰り返すようになったのか、どのようなときに繰り返しているのかなどを伝えましょう。
慢性痛の場合には、ほかに痛みを起因する病気の既往があるかなども、必要な情報になる場合があります。
施術を受けるにあたっては、整骨院に通いやすい曜日や時間などを伝えることも、スムーズに施術を進めるために必要なことでもあります。
希望する施術がある場合なども、併せて伝えると、より自分に合った施術を受けられます。
まとめ
ここまで、初めて整骨院に行くまでに知っておきたいことをまとめてみました。
整骨院でできることと、できないこと、整形外科との違いなど、自らや家族がケガをするということがなければ、日常生活ではなかなか触れる機会がない事柄かもしれません。
整骨院では、医学的治療を受けることができません。
しかし、保険診療下で、自分が持っている回復力を高める施術を受けることができます。
また、自分の元々の体力の基盤を強くすることで、再発のリスクを低くすることも可能です。
さらに、病院の診療時間以外でも施術を受けることが可能であるため、自分のライフスタイルに合わせた都合をつけやすいことも整骨院の良さでしょう。
初めて整骨院に行くときには、困っている症状について伝え、いつからどのように始まったかなどを伝えると、改善へとスムーズに進むことができます。
これまで医療ではないからと言って、整骨院を選ばなかったのだとしたら、一度、選択肢の一つに入れてみてはどうでしょうか。